月. 12月 5th, 2022

 双極性障害は「うつ」と間違われやすいといわれています。そのため、まずは「うつ」について理解する必要があります。

「うつ」は、抑うつ状態がずっと続きます。そのため、気分の波はときどき上下はあるものの、原則として落ち込んだままの状態がずっと続きます。

 それに対して双極性障害は、気分が落ち込む「うつ状態」と、気分が上がる「躁状態」が波のように訪れます。そのうち、「躁状態」の波が大きいものを「I型」といい、「躁状態」の波が小さいもの(軽躁)を「II型」と分類しています。僕も双極性障害(II型)と診断を受けていますが、以前は「うつ」と診断されていて、双極性障害と診断が変わったのは「うつ」と診断されてから1年ほどあとのことでした。双極性障害のII型は軽躁状態の波が小さいため、うつ状態から抜けると「調子が良い」と考えられがちなのです。そのため、「うつ」と双極性障害は見分けにくいといわれています。

 治療や薬も変わってきます。「うつ」は「抑うつ状態」から浮上させる治療を行なうのに対して、双極性障害は気分をコントロールする治療を行ないます。

 双極性障害I型の場合、躁の波が大きくやってきます。僕はII型なので経験したことはないと思うのですが、「自分は何でもできる」という無敵状態、マリオでいうスター状態がやってくるといわれています。多額の買い物をしたり、仕事や人間関係でトラブルを起こしたりと、周囲の人間から見ても「これはおかしい」と思うレベルだそうです。何しろスター状態ですから、スターが切れたらクリボーにぶつかって倒されます。

 対してII型の場合、躁の波は小さく、「今日は調子がいいな」くらいのものです。それでも、抑うつ状態から一時的に抜け出すので、がんばりすぎたり無理をしたりしがちです。そして、その反動で再び抑うつ状態に落ちてしまいます。

 この双極性障害という病気というのは、いろいろ言われていますが、僕は「完治しないもの」と思っています。「性格」のようなもので、一生ついて回るものです。その中で、

「あ、今日は気持ちがたかぶってるからやりすぎに気をつけないといけないな」

「昨日の疲れが少し残っているからできるだけ休まないといけないな」

という判断を、自分を客観的に見ながら行なっていく必要があります。そうすることで、日常に訪れる躁と鬱の波をできるだけ小さくしていく。それこそが、この双極性障害という病気とつきあっていく極意だと考えています。

 とはいえ、僕自身、この波のコントロールがうまくいっているとは言えません。軽躁状態の時は「何かしよう」と動き出してしまいますし、寝込む時は寝込みます。うまくいかないなりに「うまくやっていく」という道を時間をかけて探っている、といったところでしょうか。